『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
【はじめに】
どうも、ウォッチャーです
長いこと放置していたブログです
日々仕事とゲームと映画を観るので精いっぱいになってました
映画を観る頻度にブログが完全に追いつけなくなってかなり周回遅れとなり、諦めの境地に至ったという感じ
しかし、こうして久々にブログを更新する心境に至ったのが先日ツイッター上の映画好き界隈の中で行われたイベント「シン・オールタイムベスト映画」でした
相互フォローの空翔ぶギロチンさん(@moviekoala)が主催、集計されておりましたこの企画、参加者がなんと542人(ベスト外国映画での人数)というツイッター界隈としてはなかなかな人数が集まっておりかなり面白い結果となっておりました!
空飛ぶギロチンさん主催の企画では「ベスト日本映画」「ベスト外国映画(日本以外)」「ベストアニメ映画」の三種類行われており、ウォッチャーはそれぞれ投票させていただいております
今回レビューする『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』はそのうちの一つ「ベスト外国映画」のウォッチャー自身のベスト10の作品です
#シン・オールタイムベスト外国映画
— 空翔ぶギロチン (@moviekoala) May 25, 2021
2011~2020年の外国映画(日本映画以外)ならなんでもありのシン・シリーズ最終回…投票開始です…
投票期間は本日~5/31(月)24:30まで…
下のルールを読んだ上でこちらのツイートにリプor引RTお願いします…(タグのみ無効票)
それでは、よろしくお願いいたします pic.twitter.com/SnyVTK9qhn
ウォッチャー的、過去10年で心に残った
— ウォッチャー (@M0V13W4TCH3R) June 7, 2021
いわゆるオールタイムベストの作品を振り返ろう企画
第1弾はマイベスト洋画より
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』を取り上げようと思う
再度鑑賞し、パンフレットなど関連書籍を読んでブログか何かしら形に残そうと思う https://t.co/72kldZ5VW8 pic.twitter.com/WQ1obVL4k2
ちなみにこちらが自分のベスト10と全体集計結果のベスト10
①マンチェスター・バイ・ザ・シー(17)
— ウォッチャー (@M0V13W4TCH3R) May 27, 2021
②君が生きた証(15)
③バーニング 劇場版(19)
④インターステラー(14)
⑤家族を想うとき(19)
⑥スリー・ビルボード(18)
⑦プリズナーズ(14)
⑧gifted/ギフテッド(17)
⑨レディ・バード(17)
⑩フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(18)
…性癖みたいで恥ずい… pic.twitter.com/zH0r8nN1Yf
#シン・オールタイムベスト外国映画
— 空翔ぶギロチン (@moviekoala) June 1, 2021
まとめ
①マッド・マックス怒りのデスロード
②インターステラー
③ラ・ラ・ランド
④ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
⑤スリー・ビルボード
⑥ジョーカー
⑦アベンジャーズEG
⑧キングスマン
⑨ジャンゴ繋がれざる者
⑩セッション
点数上記参照
今後はこの二つのベスト10を元に作品を振り返っていこうと思います
それでは本編へ!!
※画像を引用したかったのですが引用元がちょっとはっきりし難かったのでほとんど文字だけになってしまってます・・・
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
日本公式トレーラー
フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法公式Twitter
作品概要
原題:The Florida Project
制作国:アメリカ
制作年:2017年
日本公開年:2018年
配給:A24(日本配給:クロックワークス)
日本公式サイト:
(本来の公式サイトは2021年6月27日現在はドメイン切れなのかカジノのサイトになっています)
あらすじ
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく—
出典:THE KLOCKWORX『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
ウォッチャー’sレビュー
本作『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(以下『フロリダ』)のレビューはウォッチャー自身2018年劇場で観たときのがあるのでこちらも参考にしてください
当時の評価点数は114.8点つけてますけど、今振り返ると満点120点つけても大袈裟じゃないくらいグレイトな作品であることを今回再認識しましたね、最高です
本レビューを書くためにアマゾンプライムで2回観直しました
とにかくウォッチャーとしてはこの作品は映像作品の理想を具現化したようなパーフェクトOFパーフェクトと言っても過言ではないと思ってます
インデペンデント映画でありなが、ブロックバスター映画にはない魅力と巧みなセンスが満載でどの年齢の人が観ても心に何かを残していくこと間違いなしの作品
エンタメ性と社会性を兼ね備えており、なおかつ社会性に付随しがちな説教臭さというものは微塵もない(この理由考察については後述します)のも作品の良さ観やすさにつながっている気がします
《演技未経験者多数の中、ベテラン俳優が魅せる至高の助演》
まずこの作品において特筆しておかなければいけないことは、主要人物のほとんどが演技未経験者であること
まず母親ヘイリーを演じるブリア・ヴィネイトさんという方、もともとはファッションデザイナーをやっている方で自身のアパレルもあるらしいのですが
監督であるショーン・ベイカーからなんとインスタグラムで見出され作品のオーディションを誘われたというなんともイマドキな出演経緯
当然ブリアさんには演技経験など全くなく、本人はかなり不安だったそうだが監督の計らいやワークショップでサマンサ・クアンさんという演技指導の先生のおかげでうまく馴染めたそうです
それにしたって全然未経験と思えないくらいの自然体な演技で、もしかしたらブリアさん自身ヘイリーと変わらないのでは?と思ってしまいそうだがインタビュー観たりする限りとても誠実そうな人だとわかりました(笑)
以下ブリア・ヴィネイトさんのインタビュー
娘のムーニー役であるブルックリン・プリンスちゃん
彼女は実際子役としていくつかの作品には出演してきて全くの素人ではないようですが、しかしあの歳でしっかりしたものを感じます
ショーン・ベイカー監督の手法のようですが、かなりナチュラルな演出を好むようで
作品全体的にアドリブ感のある自然なやり取りが多く、それが相乗してムーニーという子供があたかも本当に存在している子でドキュメンタリーを観ている気にさせられる
以下ブルックリン・プリンスちゃんのインタビュー
この親子が本当に親子にしか見えなくて「これ本当にフィクション映画なのか?」
と疑わせるくらい自然でリアルで面白いんですね
そして彼女たちをいろんな意味で支えたのがモーテルの管理人ボビーを演じた名優ウィレム・デフォー
あの名優がとにかくグッと堪えた演技で、とてつもない次元で役に馴染んでいました
『ジョン・ウィック』では凄腕スナイパー、『スパイダーマン』では宿敵グリーンゴブリンなど多彩な役柄で、しかもちょっと強面な役者さんなんですが
彼もまた本当実在するかのようなリアルな佇まいをしていて流石だなと思いました
ウィレム・デフォーのインタビューも参考にどうぞ
他にも、序盤にムーニーの遊び仲間の新入りになるジャンシーという女の子は撮影現場の近くの量販店で監督じきじきにスカウトされた女の子だっていうから驚きですよねぇ
このように、演技未経験者を巧みに演出することで作品全体のリアリティが底上げされて観てる側も没入してしまうのであろうと思いましたね
このショーン・ベイカーという監督、只者ではありません!
《ショーン・ベイカーというインデペンデント映画界期待の監督》
メジャー作品しか観ないよーって人には馴染みがないのも当然なんですが
このショーン・ベイカー監督、若い方なんですが長編映画はまだ5,6本くらいなんですね
しかも日本で配給されているのはこの『フロリダ』のほかに
『チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密』と『タンジェリン』の合計3本しかないんですよね
今回この記事を書くにあたってこの過去2作も拝聴いたしましたが、どれもすごく面白いです!
2021年6月現在での視聴方法は『チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(原題:❝STARLET❞)』はU-NEXTで、『タンジェリン』はYouTube映画で鑑賞できますので良かったら観てみてください
フロリダプロジェクトの映画評を書くために監督ショーン・ベイカーの過去作『チワワは見ていた』を鑑賞したのだが、なんとまぁ紛うことなき名作であった。しかし邦題がネタバレ&ゴミっていう不遇だし、まぁそもそも日本ではビデオスルーと言うこともあって知名度低め。しかし傑作。 pic.twitter.com/I0tnq1Uvms
— ウォッチャー (@M0V13W4TCH3R) June 13, 2021
ショーン・ベイカー監督の作品、今夜2作目は『タンジェリン』
— ウォッチャー (@M0V13W4TCH3R) June 13, 2021
これは流石に映画界隈で有名な作品だろうけど今になってようやく観ました。
なぜ有名と言うと、低予算が故に作品最初から最後までiPhone5sで撮影されてるという。それでいて作品そのもののクオリティがめちゃくちゃ高いことから(続く pic.twitter.com/36Y1yrLZhL
ショーン・ベイカー監督のこれらの作品に共通しているのは、
「世間の陰で生活する、なにかしら陽の目を見ることがない人たちをとても客観的にでも優しさをもって描く」
ってことです
この辺のことはライムスター宇多丸さんも同じことを仰っていたのでパクリと思われそうなんですが(笑)でも実際そうなんですよね
その登場人物たちの立場や言動が良いか悪いか問うたりしないし、善悪を隔て分けない描き方をしているんです
それぞれに言い分や立場の違い、置かれた状況があってその人たちが生きているって表現が伝わってきます
そしてそれらのテーマを効果的に演出するのが先ほど述べた「自然的な、いうならばドキュメンタリックな手法演出でリアルに映し出していく」ってスタイルの監督です
これ、本当にウォッチャーのドストライクなパターンだし、今後の監督の作品が楽しみで仕方ないんですよね!
《カラフルな風景に差すアメリカ社会の暗い影》
ここからは『フロリダ』のネタバレを避けつつ内容に触れながら感じたことをツラツラ書いていきます
冒頭子供たちの無邪気なやり取りの後に流れるクール&ザ・ギャングの「セレブレーション」
なんと景気の良いオープニングだろうか
そこからムーニー率いる悪ガキたちのいたずらばかりの夏休みが展開されていく
照りつける熱い日差し、元気な子供たち、そして配色の鮮やかさ
主人公ムーニーの服、母ヘイリーの髪、モーテルの外壁
全体的にパステルカラーがふんだんに散りばめられていて目がとても楽しい
作品の舞台となるフロリダは、あの有名なウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがある州
ムーニーやヘイリーが仮住まいにしているモーテルの名前が❝マジック・キャッスル❞で外見も明るいパープル色になっている
劇中にとある新婚の若い夫婦がハネムーンにやってくるくだりがあり、その際ディズニーのリゾートホテルを取ったつもりが間違えてムーニー達が暮らすこの安モーテルに来てしまうんだけど
その一連の流れを見てわかるのが「物語の舞台となるモーテルがディズニーに限りなく近い場所」であることが推察されるわけですよ
この安モーテルはヘイリーのように安定した職や低収入の家族がその日暮らしをするために暮らしているわけですが、その一方夢の国がすぐ目と鼻の先にあるのはこのアメリカの格差社会を暗に示していることが伺えます
余談ですけどそもそも日本人にとってあまり馴染みがないモーテルというサービス
元々は長距離ドライバーたちが安く短期的に休憩用として利用することから始まったビジネスホテルだったようで❝モータリスツ・ホテル❞がそのまま略されてモーテルになったようです
日本ではその利用方法などからラブホテルの感覚に近いですね、車を泊まる部屋の前に着けて休憩していく感じとか
さてそのモーテルに暮らす人々はまさにあのサブプライム住宅ローン危機の煽りをもろに受けた人たちであろうことが伺えます
というか現にアメリカでの貧困層というのはもっぱらあの一件が深く関わってると思っても差し支えないと思います(もちろん別の理由から貧困な人もいますが)、それだけあの事件は未だに尾を引く大問題だったことと認識させられます
ヘイリーも偽ブランドの香水を無許可で路上販売してなんとかその週の家賃を得てやりくりするのが中盤で描かれ生活の苦労を感じたりします
ただこの母ヘイリーにも母として親としての問題点も物語が進むにつれて徐々に見えてくるわけです
序盤子供たちの楽しい夏休みが展開されていたと思ってたら、中盤から母ヘイリーのシーンが増えてきてだんだんと楽しかったはずの物語にひっそりと影と悲劇が差してくるんですね
そして終盤ある出来事が原因でヘイリーとムーニーに一大事が舞い込んでくるという流れがとても映画として巧みに描かれており、ラストはもう本当にマジック!
と言わんばかりの展開が待ち受けております!この展開に賛否はあると思いますが、「映画」という概念を考えたときにベイカー監督は自分の色で賭けに出たなっと思いましたし、個人的にはそれがすごく腑に落ちました
《徹底的に客観視するスタイルが説教臭さを打ち消している》
ただこうやって社会的なテーマが背景になってはいるもののそこまで説教臭くないというか、「今のアメリカはこうなんです!どうですか!?」といった押しつけがましさは一切ない、もしくは「可哀そうでしょ!?」っていう同情的な描き方もしていない
あくまでも軽快にかつ客観性というか第三者の視点に徹底しているんです
第三者の視点、それはまさに映画を観ている観客そのものに近いものがありますね
こういった視点・視線が観客対して没入感を与えつつ、でも一定の距離感も持ち合わせているように感じています
それがヘイリーやムーニー対してはある種の優しさというか、温かさでもあります
例えば母ヘイリー、正直言って母親としてはかなり最低に近い部分はあります(笑)
観ていて不愉快になる人もいると思います
だけどどこか「まぁ言い分もわからんでもない・・・かも」と思わせられる、それこそ先ほど述べた格差社会の影が感じる部分もあって一概に彼女だけを責めるっていうのもなんか違うし、それでも娘のムーニーを食べさせていかなきゃと母親として奮闘はするわけです
とは言えやはり母親としてどうなのよ!?と思えることもありますが・・・
ムーニーも母親譲りのかなり悪ガキでいたずらや暴言も平気でしてます
しかし、物語が進むにつれてそれがなんだか彼女の一種の強がりというか、こんな状況だけど精いっぱい子供として楽しまなきゃといった気概にすら感じさせます
そんな親子を観ていくうちに観客は心配な気分にさせられます
《観客に一番近い存在、ボビー》
そんなあぶなかっしい親子を厳しくも温かく見守るのがモーテルの管理人ボビー。
いたずらばかりするムーニーに手を焼き、ヘイリーにはそれも注意しながら家賃を催促する彼はこの物語で一番観客に近い、なんなら観客の代弁者としてこのストーリーに関わっていきます
ボビーは管理人としてルールを順守してもらおうと厳しいことをいうこともありながら、ヘイリー親子を見つめる目は非常に温もりに満ち溢れていて
しかしモーテルにはヘイリー親子のような事情を抱えた人たちで溢れかえっているわけですから、誰かひとりを贔屓して助けるわけにもいきません
ボビーは本当は凄く優しい存在で困ってる皆をどうにかしてあげたいんです
しかし、やはりそれはどうすることもできな現実、優しい人が居るだけではみんなが救われないことを象徴しているかのようですよね
まさに観客と同じなんです、干渉できないアドバイスすることすらできない、そんな立場
まぁ管理人というだけでモーテルのオーナーは別にいることが劇中で分かりますが、時折ヘイリーに肩入れすることもあったりしてボビーの優しい一面が垣間見えます
余談ですがそのオーナー役はベイカー監督の常連俳優さんだったりします
また『フロリダ』で描かれるのは貧困の問題だけではありません
子供たちが無邪気に遊んでいるところにモーテルの住人には見えない男がしれっと近寄っていき子供たちの輪の中に入ろうとするシーンがあります
一見すると何ともないように感じるシーンですが、ボビーの目線のカットに変わった瞬間になんだか嫌な予感をさせます
それはボビーの表情も手助けしているのも事実なんですが、明らかにボビーの視線だからこそ見える解釈というか感じ方をうまく映像として組み込んでいます
アメリカの貧困な子供たちに伸びる魔の手を垣間見た瞬間ともいえるシーンです
《タイトルに込められた意味》
『フロリダ・プロジェクト』というタイトルにはウォッチャーの知っている限り、二つの意味があるようです
一つは「プロジェクト」からくる「スラム」といった意味(語弊がありそうですが近いという意味で)
アメリカでは低所得者向けの公営団地のことを「プロジェクト」というそうです
それはまさにこの映画におけるモーテル❝マジック・キャッスル❞のことを示しているんだと思います
そしてもう一つの意味は
ディズニーワールド開発計画の名称
だそうです
これウィキペディアに乗ってて知ってびっくりしました
つまり「貧しい人たちの住む場所」という意味と、「夢の国の初期の企画名」
というまるで相反する意味のダブルミーニングになっているってことだと思うんです
苦しい生活を強いられる人々のすぐ目の前で繰り広げられる夢のテーマパーク
何とも皮肉な現実ですよね、この作品の核はすでにタイトルから提示されていたと思うと流石だなーと感心してしまいます
《カットやアングルで観客に伝える》
上記にも挙げてきたように、これらの説明はすべてカットや演出、カメラのアングルを巧みに使って観客に説明しているんですね
例えばモーテルがディズニー・ワールドの距離感や位置関係をディズニー・ワールドから上がる花火でわかったり、
また子役の置かれてる状況や言ってることのヤバさ(作品を観たら伝わると思いますw)だったり、また登場人物の関係性だったりなどなど・・・
決してセリフで説明するんじゃなくて、全てスクリーンから読み取れる構造になっていて、それでいてテンポも悪くならずそのまま感情が自然と乗っかて行く・・・
この辺がショーン・ベイカー上手いなーと思いましたし、自分が映像作品における理想だと感じてこの作品を高く評価しております
【最後に】
さてこれだけ作品を褒めちぎって勧めて、実際にこれを読んでくださった方が面白いと思ってもらえるか不安ですが・・・
しかし結果つまらなかったとして良いんです
世界にはこういった映画監督、もしくはこんな映画作品があることだけでも知ってもらえると個人的にはうれしいです
面白い映画ばっかり観たって何も得られないでしょ?面白くない作品を知っているからほかの面白い作品に出会えるわけで
という自身なさげな終わりになりましたが、この『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
時間があるときに一度鑑賞してみることをお勧めします!
今後も冒頭に伝えたランキングを続けていこうと思いますので機会があればまた読んでください
ではまた、よき映画ライフを!!!
了
2020年2月に観た映画 その③『パリの恋人たち』『Fukushima 50』
Dead by dayrightの4周年記念イベントで忙しんすよ・・・ポイント貯めなきゃいけないんすよ・・・
パリの恋人たち
J-MAXシアターとやまにて鑑賞
脚本★★★☆☆
演出★★★☆☆
映像★★☆☆☆
音楽★★☆☆☆
配役★★★☆☆
カタルシス度 20%
合計 56点
【総評】
配役に惹かれて観てみたものの、そこはやはりフランス映画。眠気を誘発するのが得意なようで
主演・監督の二役を担うのは『グッバイ・ゴダール』や、最近の話題作でいえば『ストーリー・オブ・マイライフ』にも出演している個人的に今一番アツいフランス人俳優ルイ・ガレル
最近徐々に日本で見かけるようになってきた彼の作家性が試された本作
どうしても白黒、右左上下付けたくなる国民性からか、この物語があまりにも抽象的過ぎて「いったい何が言いたいのよ!」っと心の中で何度も叫んでいた上映中
ジョニー・デップの娘リリー=ローズ・デップも(実はフランス生まれらしい?)流暢なフランス語とどこかあどけないというか垢ぬけない役どころがまた良い
しかもオホホなシーンもちらっと・・・( ^ω^)チョット得シタキブン
というくらいしか一回しか見てないこの作品の評価になってしまう、特にこれだ!とかふざけんな!ってこともない
でもルイ・ガレルには俳優だけじゃなくて監督としてもこの先期待したいし応援したいな
Fukushima 50
佐藤浩市×渡辺謙主演!映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)予告編
東宝シネマズファボーレにて鑑賞
脚本★★★☆☆
演出★★☆☆☆
映像★★☆☆☆
音楽★★☆☆☆
配役★★★★☆
カタルシス度 45%
合計 61点
【総評】
試写会で当たったので本来の上映より早く観れた作品
この作品のメッセージというか、テーマは一日本国民として大事なことだし忘れてはいけない教訓として心に刻み込まなきゃいけない
また福島第一原発の方々には敬意を表するという意味でもこの映画はとても意義のあるものになっていると思う
しかし、映画作品としての評価に絞っていうなら、あまり面白いものではない
配役の素晴らしさは良いとして、かなりオーバーアクトなので(佐藤浩市がそういう俳優なので)作品全体がなんだかわざとらしい空気でムンムンになっている
よく言えば迫真の演技なんだけど
過酷な現場で頑張った、それはわかるんだけどあまりにも綺麗にしすぎてて、事実に基づく話であるはずなのにフィクション感が拭え切れない
でも史実に基づいて、あの時あの時間一体何があったのか、それを知ることができない我々観客はそれを少しでも知ることができる、または疑似体験できるのはこの作品の良いところよね
でもやっぱり、本当に緊迫感をだすのは俳優頼みの迫真の演技じゃなくて、淡々と進む脚本力なんじゃないかな
クリント・イーストウッド監督は史実に基づく作品を近年多く作ってるけど、どれも淡々と、じっくり大袈裟に描かないってところが逆に没入感と客観性を両立させている気がするんだよねぇ
日本映画に多いのが俳優に頼った演出なんだけど、そろそろガラパゴスから抜け出すとしたらこの辺の是正じゃないかなぁ
終
2月に観た映画のレビュー その② 『1917 命をかけた伝令』
夜勤なんで本日は一本だけのレビューっす、はい
続けることが大事!(自戒)
1917 命をかけた伝令
出典:『1917 命をかけた伝令』公式Twitterより
J-MAXシアターとやまにて鑑賞
演出★★★★☆
脚本★★★☆☆
映像★★★★★
音楽★★★☆☆
配役★★★☆☆
カタルシス度 45%
合計 81点
【総評】
まず初めに言いたのは、ワンカットじゃねーじゃんってこと
「全編ワンカット」って謳い文句は詐欺だぞ?
そもそも全編ワンカットが無理なのはみんな最初から分かっていることなんだけど、客がそれを忖度する必要はないわけだから、全編ワンカット撮影に幾何の期待はしてしまうんだって
でも実際はワンカットじゃなくてワンカット風なのよ
そこはさ普通にワンカット風って言っておけばいいんじゃないかね?なんだかしょうもない見栄を感じちゃったな
ほんで内容なんだけど、映像とかその「ワンカット風」撮影はすごくシームレスで没入感は成功してるよね
ただ会話の時間が長かったり、ぶっちゃけどうでもいい下りとか多く繰り返されるパターンなので飽きてくる
結局はその映像美とワンカット風撮影を活かしたい、もしくはそう撮らざるを得ないから物語のほうにはあんまり没入できないのね、っていうかストーリーは面白くない
音響もすごくよかったのよ、さすがだなー
けどカメラもそのワンカット風撮影っていう縛りのせいか、アングルとか登場人物の進む方向性がいまいち伝わらない
どこ向いて歩いているのかさっぱりだし、基本カメラは登場人物ばかり取って回り込んだりしてるから背景が見づらく、どこからどこへ移動したのか位置に混乱することもしばしば(それをあえて狙ったシーンがあって、それは良いシーンだと思った)
だから途中なんども気持ちが映画から離れがちだった
つまるところ、映像には没入できるがストーリーには感情が乗らないので最後のシーンを観ても「あぁなるほどね」くらいにしか思えない
でも映画史に残る撮影と映像ってことは疑いの余地はないのだが、全体的に面白いとか感動とかってことはなかったかな
終
2020年2月に観た映画のレビュー その①
連休中にもっと記事を更新しようと思ってたんだよ
思ってただけ
シグナル100
橋本環奈が“最狂教師”に追い込まれる!『シグナル100』超特報
東宝シネマズファボーレとやまにて鑑賞
演出☆☆☆☆☆
脚本☆☆☆☆☆
映像☆☆☆☆☆
音楽☆☆☆☆☆
配役★★★☆☆
カタルシス度 2%
合計 12.4点
【総評】
当ブログにて史上最低の点数を叩き出した。語ることもない糞映画。
正直料金返せとは言わんがポップコーン代くらいは返せ言いたい。
とにかく無茶苦茶な設定と物語、メッセージはわかるけどそのメッセージのためにいろんな無理矢理が敷き詰められてて「作った人バカなんじゃないの?」とさえ言いたくなる。
100歩譲って出演者を観るだけで楽しむ映画だったとしても橋本環奈の良さもないし、若月祐美は早々に退場するし、他の出演者にも花がなくて(個人的に北村優衣や工藤綾乃が好きなんだが全く魅力的な役柄でもないし演出もついてない)隅から隅まで見どころがない
ゴア表現にしたって低レベルな表現しかできておらず温い。原作漫画は読んでいなくてどんなメッセージ性があったのかは知らないが少なくとも映画パンフレットに書いてあった「不条理」が一つのテーマなようだ。しかし、作り手は不条理を勘違いしている、どころかそもそも不条理を理解していないか知らないのであろう。
さらに50000歩譲って、催眠術でそんなことができるなんて設定はフィクションとしては問題ない。別になんてことない。その催眠術で学校の外に出られない。出たら死ぬ。
じゃあなんで学校に缶ビールあんの?普通なくね?もうそれって「アルコールを浴びたら死ぬ」っていう条件を満たすためだけに用意された道具でしかなくてね。全く意味不明なのよ。この映画はそういう100個の死ぬ条件のためだけに用意された舞台設定しかないわけよ。だからいろんな無理が露わになっていくわけ。矛盾だらけなのよ。マジで映画作るセンスねーわ。
登場人物それぞれに掘り下げもないから個々の行動の動機に共感が得られなくて、むしろ観客が「きっとこの二人には過去になにかあったのね」と忖度と想像をしないといけない。という意味では群像劇としても破綻している。
さらにパンフレットを読んでみると、脚本家に問題があることがわかる。テンポを重視しているというわりに約90分がひたすら長く感じる。そしてテンポを重視したが故に必要な部分まで削ぎ落したであろうからキャラにも話にも深堀がされない。つまり観ていて面白くない。
そりゃそうか、この脚本家は過去の作品を観ると『実写版ガッチャマン』『実写版進撃の巨人』『モンスターズ』とどれも脚本に難のある作品ばかり。
こんな脚本が通ってしまう日本映画の競争率の低さにある意味恐怖を感じる。キャストさえ人気者が揃えば、中身がなくてもバカな顔ファンやネームバリューファンは喜んで観るんだろうな。
俺にはわからない世界だわ。
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
東宝シネマズファボーレとやまにて鑑賞
演出★★★★★
脚本★★★★☆
映像★★★☆☆
音楽★★★☆☆
配役★★★★★
カタルシス度 96%
合計 99.2点
【総評】
『スターウォーズ/最後のジェダイ』で総叩きを食らって久しいライアン・ジョンソン監督、この映画で名誉挽回したといってもいいくらい非常に楽しい作品となっている。
ライアン監督にとってこういった作品がいわば「ホーム」であって『最後のジェダイ』は背伸びをした結果の大失敗といえよう。
とにかく過去のことはもういい。本作はミステリとしてもちゃんと成り立ち、さらに豪華俳優陣の魅力も最大限に活用されている。
主人公名探偵を演じるのは現役ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ。嫌疑をかけられた看護師には今年公開の007最新作でダニエル・クレイグと共演しているアナ・アルマス。ほかにもキャプテンアメリカでおなじみのクリス・エヴァンス、マイケル・シャノン、クリストファー・プラマー、ジェイミー・リー・カーティスなどなどなど・・・
とにかくそのキャストの充実っぷりに映画ファンも満足のいく作品となっている。
もちろんストーリーも楽しい。笑いあり驚きありのミステリ。観客も登場人物たちの真偽不明の証言をもとに犯人と殺人のトリックを推理していく楽しさがある。そしてラストに明かされる種明かしでカタルシスが解放される。
まぁオチは過度に期待しないほうがよかったと思うが、エンタメ作品なら充分かと。
何度見ても飽きない工夫を凝らした演出や撮影方法もいいところで、そこはやはりライアン監督。ケレン味たっぷりのセリフや車の撮り方。キャラの味付けまで随所に彼の良い部分が出ている。逆にそれが『最後のジェダイ』では・・・その話は置いといて。
とにかく誰でも楽しめる、特にミステリ好きならいい感じに程よく楽しめそうな作品としておすすめしたい。
ボンドのクレイグもいいが、ファニーな演技ができるのも魅力の一つ
AI崩壊
J-MAXシアターとやまにて鑑賞
演出★★★☆☆
脚本★★★☆☆
映像★★★☆☆
音楽★★☆☆☆
配役★★★☆☆
カタルシス度 72%
合計 70.4点
【総評】
率直に言うとめちゃくちゃ面白かったわけじゃないけど、決してつまらない作品でもなくて・・・なんていうか鑑賞後の印象があんまり残らないというか・・・それは良い意味でも悪い意味でもいえるかな
まず演出・脚本について言及するならば、AIが普及した近未来という設定の上で話が進められる。一見すると「あぁ近いうちにこうなるのか」と思わされるが、その一方で「AIが発展してるわりに使われ方が限定的だなぁ」という印象。そんなものだと言われたらそんな気もしないし未来のことなんてわからないんだけど、やはりちょっと物足りない。
映像・音楽に関しては、これまた特に文句もないし、かといってここすごくよかったってのもなくて。そうだなぁ、アクションは極力CGに頼ってなくて見せ方は努力を感じる。
配役に関して。主演の大沢たかおは素晴らしい俳優であることを再認識させられた。現在52歳のこの方も体を張った(そして体の見せ方)が素晴らしいよね。
あとこれはファンに殺されかねないが、岩田剛典はこういう「ポーカーフェイス」が似合うよね。というのも彼は棒読みとか表情のレパートリーの乏しさが改善されなさそうなのでこういう言葉少なく表情も少ない役が合うんだよね。それっていいことでもあるけど、逆に役の幅が広がらないので悪くも言える。まぁ彼が役幅広げるとかどうとかは俺に関係ないけどね。
ってことで、そんな感じに特筆することも特にない、うん。暇つぶしに観るのにはちょうどいいかもしれない。
2月版はほかに6本ある、、、シンド、、、
終
2020年1月に観た映画 その②
富山県もとうとう映画館が営業休止となって家から出なくなりました
どうもムービーウォッチャーです
今年1月の鑑賞映画レビューパート2でーす
ラストレター
映画『「ラストレター」』予告【2020年1月17日(金)公開】
TOHOシネマズファボーレとやまにて鑑賞
演出★★★☆☆
脚本★★★☆☆
映像★★★★☆
音楽★★★☆☆
配役★★★★★
カタルシス度 82%
合計 88.4点
【総評】
『スワロウテイル』『花とアリス』を代表とする岩井俊二監督の最新作。
岩井監督に「ピュア」を表現させたら右にでる者はいないのではないか、そう思わされる。残酷なほどのピュア、映し出される空気や光や人物の目線など、この上ない表現が観客に疑似体験と共感を与える。
この映画を観た人の多くが指摘されているのだが、1995年の岩井俊二監督作品『Love Letter』ととても濃い関連性がある。
実際に『Love Letter』で主演していた中山美穂、豊川悦司が『ラストレター』にも出演している。両方の作品を観ればさらに楽しめる作品であろう。
本編の過去編で登場する森七菜の純朴感は貴重である。触れると壊れてしまいそうなくらいのイノセントを彼女は映像で表現できてしまってる。評価させるべきかと個人的には思う。
リチャード・ジュエル
映画『リチャード・ジュエル』30秒予告 2020年1月17日(金)公開
東宝シネマズファボーレとやまにて鑑賞
演出★★★★☆
脚本★★★☆☆
映像★★★★☆
音楽★★★☆☆
配役★★★★★
カタルシス度 90%
合計 94点
【総評】
現在89歳(!)のベテラン俳優で近年は映画監督としても名高いクリント・イーストウッド監督の作品。年をとっても衰えるどころか、むしろパワーアップが止まらないとんでもない人。2014年に『アメリカン・スナイパー』、2016年に『ハドソン川の奇跡』、2017年に『15時17分、パリ行き』、2018年には『運び屋』と、実際に起きた事件や出来事をベースに、あるいは忠実にドラマ化して毎回話題となる。
今作『リチャード・ジュエル』もまさに実際にあったテロ冤罪事件を忠実に再現されており、その事件の悲惨さを伝えながらエンタメの映像作品としての立場も両立していると思う。
実話ベースの作品はどうしてもオチが弱いというか、フィクションのように物語の起伏は薄くなりがちで、事実『15時17分、パリ行き』は真相を知っていることもあってかカタルシスは得られなかった。しかし今回の『リチャード・ジュエル』に関しては、サスペンスとしても「フーダニット(誰がやったのか)」がちゃんとそこに存在しており、物語が淡々と進む中でも観客が欲する「真相への欲望」と、登場人物が持つ個々の「問題への興味」がしっかりあるので最後まで飽きずにみられる。
また飽きない要素の一つにキャスティングの素晴らしさがある。
主演を務めたリチャード・ジュエル役のポール・ウォーター・ハウザーは俳優としての経歴はまだ10年足らずではあるが『アイ・トーニャ 史上最大のスキャンダル』や『ブラック・クランズマン』などで強烈なインパクトと絶対的な「嫌な奴感」で観客の記憶に残ってきた。そして今回のジュエル役はまさに彼の持つ個性に完璧なまでに合致しており、かつ実在していた(本物のリチャードさんは2007年に死去されている)人にそっくりでもはやポール以外のキャスティングではありえなかったといわれても仕方ないくらいである。そのほか、ジュエルの数少ない理解者で弁護士ワトソン役には『スリー・ビルボード』で2018年アカデミー賞助演男優賞を手にしたサム・ロックウェルが演じ、ジュエルの母親役には『ミッド・ナイト・イン・パリ』『ビリーブ 未来への大逆転』のキャシー・ベイツが演じている。
このキャシー・ベイツとサム・ロックウェルの二人の素晴らしい援護射撃によってさらに主人公ジュエルの置かれた状況と人柄に深みが出ていた。特に終盤での母親の涙の訴えは本作のハイライトともいえる。
またジュエルを追い詰める新聞記者にはオリヴィア・ワイルド、悪徳FBIにジョン・ハムとこれまた腕のある役者が当てはめれており、本作の水準を上げることに貢献している。(オリヴィア・ワイルドの演じた記者役の演出と設定は倫理的な問題が発生してたらしくて、それについては個々で調べてもらうといい)
ジョジョ・ラビット
タイカ・ワイティティ監督がヒトラーに!映画『ジョジョ・ラビット』日本版予告編
東宝シネマズファボーレとやまにて鑑賞
演出★★★★★
脚本★★★★★
映像★★★★☆
音楽★★★★☆
配役★★★★★
カタルシス度 95%
合計 111点
【総評】
ナチスに憧れる10歳の少年の成長を描いた作品。この概要だけで批判する人間が多いが実際作品を観ればタイカ・ワイティティ監督が何を訴え何を表現したかったかがわかる。実際問題として、ナチスは自国の子供たちを(子供であることに付け込んで)洗脳を行っていたわけだ。その最もたるがユダヤ人差別。本作はナチスを称賛しユダヤ人差別を助長させてるわけではない。いかにそれらが間違いで、主人公ジョジョはその間違いに気づいて成長していけるかを描いている。それは映画を観れば一目瞭然なのだ。
作中でジョジョの”心の中に存在するヒトラー”を演じていたのも監督であるタイカ・ワイティティだが、彼自身ユダヤにルーツを持っている。そんな彼の書いた脚本には「人を愛することと受け入れること」の大切さが詰まっており、この映画の光輝く部分はまさに監督自身の愛の結晶だろう。
10歳の少年に頭ごなしに「ナチスは間違ってる!」といっても聞くわけがない。戦時中ならなおさらだ。では如何にしてジョジョは成長するのか。そのカギがスカーレット・ヨハンソン演じる母親ロージーだ。夫が戦争に駆り出され、一人ジョジョを見守る。ナチスに陶酔する我が子を観て「間違ってる」とは思いながらも国内情勢とジョジョの意思の硬さに頭ごなしには言えない。ジョジョはそのロージーがこっそり匿っていたユダヤ人少女エルサとの出会いで運命が動き出す。母の愛と(ジョジョにとって)憎むべきユダヤ人のエルサを10歳の少年がどう受け止めるか、それが本作の見どころだ。
またジョジョの成長に欠かせないもう一人の人物がいる。クレンツェンドルフ大尉だ。演じるのは先ほど『リチャード・ジュエル』でも紹介したサム・ロックウェルだ。軍人である彼もまた国の動向とは別に人としての愛がある人だ。だからジョジョのことを厳しくも暖かく見守る。
子供はいつだって大人のいうことを聞いて育つ。それが正しかろうが間違ってようが、子供はそれを世界の絶対だと信じてしまう。ジョジョの純粋すぎる心に、母ロージーやクレンツェンドルフ大尉の愛に、ユダヤ人少女エルサの持つ魅力に観る者の心が暖かくなる一本となっているだろう。
終

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